2020/07/14 11:07

なんでも焼きたてがうまい・・・。


冷めたならレンジでチンしたらいつでも熱々出来立て気分


食パンなんてさらにトーストで焼いちゃうし・・・


ところがどっこいコーヒー豆は


焼きたてより数日寝かした方がおいしいのです。


ただし焙煎プロファイルや焙煎度などによって飲み頃は変わります。


ではなぜ焼きたてより少し寝かした方が美味しいのか探っていきます。


飲み頃だけ知りたい人はまとめをみて下さい!


焼きたてが美味しくない理由は炭酸ガスにあり


コーヒー膨らみ過ぎ問題


まず焼きたての豆より少し寝かした方がいいと思う理由に

豆から放出されている炭酸ガスがあります。


コーヒーを抽出する時に豆を蒸らしますがその時ドーム状に膨らむのは

この炭酸ガスが豆から抜け下から押し上げているからです。


炭酸ガスは焙煎後をピークに徐々に抜け出ています。


焙煎から日がたち、炭酸ガスがほとんど抜けきってしまった豆は

お湯をかけて蒸らしてもまったく膨らみません。


当然お湯のかけすぎや、極浅煎りの豆などは膨らみにくいので一概には

言えませんが焙煎したてかどうかの目安にはなります。


では焙煎したての豆にお湯をかけ蒸らしますとどうなるか今度は炭酸ガスが

勢いよく抜けていき綺麗なドーム状になるどころか「ボコボコ」とマグマのように

大きな泡が出てきてせっかくのドームを崩してしまいます。


さらに場合によっては膨らみ過ぎてドームが「カスカス」になってしまいます。


お湯を注ぐとドームが崩れていってしまい安定した抽出ができません。


ガスバリアでコーティング問題


では膨らみ過ぎて淹れにくいなら蒸らしの段階ではあまりお湯をかけずに

淹れてみたり、意図していなくても蒸らしが不十分であったりした場合を考えます。


炭酸ガスはコーヒーの砕かれた粒の一つ一つから出ていています。


その炭酸ガスが抜けきっていないとコーヒー豆を囲う(コーティングされた)

ような形になってしまい、ガスバリア効果というんでしょうか・・?


お湯がすり抜けていってしまいます。



なので数日寝かして炭酸ガスを抜く=落ち着かせる方が抽出しやすいです。


炭酸ガスが落ち着くころ合いは焙煎によって変わる!


ではいつ頃が炭酸ガスが抜け落ち着いてくれるのか・・・

これがまた焙煎の仕方によって違うんです。


焙煎時間でガス放出のスピードが違う


同じ焼き色であっても何分・何度で焙煎したかによって飲み頃は変わると考えています。


高温で短時間で焼くと早い


高温でいっきに短時間で焼くとガスが勢いよく放出されます。


香りは強いですがその分早く香りも一緒に飛んでいってしまいます。


ピークが強く・早く=短距離選手なイメージです。


飲み頃は焼いた日から2週間程度以内が目安。


低温で長時間焼くと遅い


逆に低温でゆっくり時間をかて焼くとガスの放出もゆっくりとなります。


香りは弱いですがその分長持ちします。


ピークは弱いが長い=長距離選手なイメージです。


飲み頃は焼いた日から1ヶ月程度以内が目安。


熱源(焙煎機)の違いで飲み頃が変わる


直火で焼く 直火(ちょっか)型焙煎機


当店の豆は直火型で焼いています。


直火の場合、回転ドラムに小さな穴が開いています。


ドラム型洗濯機のイメージです。



その穴からチャフと言うコーヒーの薄皮が落ちていきます。


そのチャフが火に炙られる事でスモーキーな香りが豆に移ります。


煙くさい・燻製されたような感じです。


なので直火で焼いた豆は焼きたてだとスモーキーな味が邪魔をします。


ただ、ゆっくりと火で炙られることで水分がじんわりと抜けていきます。


後半は一気に焼きを入れる事で力強く濃厚でまろやかなイメージの味に仕上げる事ができます。


またこの煙臭さもガスと一緒に抜けていきます。


炭酸ガスが落ち着いて煙臭さがなくなった頃が飲み頃です。


飲み頃は焙煎から1週間程度経ってから。


熱風で焼く 熱風式焙煎機


熱風型の場合


回転ドラムに穴があいていません。


高温に熱せられた風を送り出す事でコーヒー豆を焙煎します。


熱風で焼くと水分が抜けるのが速いです。


ドライヤーをイメージしていただければわかりやすいかと思います。



髪を乾かす時、ドライヤーで乾かすのとストーブなどの上で乾かすのでは雲泥の差です。


一気に水分を飛ばして短時間で焙煎する事が可能です。


さらに熱風でチャフは飛ばされてしまいますのでチャフの影響も


受けず軽やかで明るいイメージの味が作りやすいです。


飲み頃は焼いた次の日くらいからOK。


浅煎りと深煎りでも違う!


浅煎りタイプの方が単純に焙煎時間も短く直火型であってもチャフの影響も少ないと言えます。


さらに炭酸ガスの発生が少なく、早いうちから飲み頃と言えます。


深煎りタイプはそれだけ焙煎時間も長く直火式の場合チャフの影響も受けやすいです。


さらに炭酸ガスもたくさん発生します。


深煎りの豆の方が飲み頃は遅いです。


浅煎りなら焙煎の3日後くらいから深煎りなら焙煎から1週間後くらいからがお勧め。


賞味期限はあるようでない・・それはあなた次第


賞味期限はあくまで美味しく飲む事が出来る期限です。


保存状態が悪くでカビなどが発生していなければ1年経っていても飲む事は可能です。


各メーカーによっても様々ですが


スーパーなどで販売されているコーヒーの賞味期限は大体「12か月」で記載されています。


全日本コーヒー協会は未開封である事が前提ではありますがレギュラーコーヒーで1~2年


インスタントコーヒーで3年以内と定めています。


さらにコーヒー専門店などで買うと焙煎から3ヶ月とか・・1ヶ月・・はたまた2週間・・・


などお店によって全然違います。


これは美味しいと思える期間がそれぞれ違うためです。


コーヒーに特にこだわりもなく、どれを飲んでも違いはわからない!


と言う人なら1年経っていても美味しいかもしれませんし


香りに厳しい人でしたら1週間でもう劣化している!


と感じる人もいます。


なので一概に賞味期限は〇〇ヶ月!とは定められておりません。


賞味期限はあなた次第と書きましたがどこまでを美味しいと感じるかなので


美味しくなくなってきたら早めに使い切って下さい。


私は焙煎から1ヶ月以内くらいを推奨しています!


なので1か月で飲み切れる量を買うようにしています。


ただ開封後はなるべく早く飲んで下さい!!

 

まとめ


飲み頃の期間の目安


コーヒー専門店のこだわりの豆の場合


●一番早いので熱風型焙煎機短時間高温焙煎浅煎りの豆の場合

焼いた日~2週間程度


●一番遅いので直火型焙煎機長時間低温焙煎深煎りの豆の場合

焙煎から1週間後~1ヶ月程度


スーパーで買ったパック詰めの豆の場合


開封前なら袋に記載されている日までOK


開封後はなるべく早く(1ヶ月以内くらいに)飲む。


が個人的に抽出も安定じ


味もまろやかでおいしいと思います。


ただ1か月過ぎたからおいしくない!というわけではなく・・・


どこまでをOKとするかで変わってきます。


一つの目安としていただければ幸いです。


良かったらコーヒー豆のお勧めの保存方法 冷凍?冷蔵?常温? 劣化要因から探る


もCHECKして下さいネ。